2月20~24日にスイス・モントルーで開催されたヨーロッパTOP16女子シングルスでハン・イン(ドイツ)が2年ぶりの優勝。ハン・インにとってはこれが3度目の優勝となり、女子ではハマースレイ(イングランド)、倪夏蓮(ルクセンブルク)に並ぶ2位タイの記録となった。(写真:ETTU)
【ヨーロッパTOP16女子シングルス】
●1回戦
ハン・イン 3-0 ユ・フ(ポルトガル)
●準々決勝
ハン・イン 3-0 シャオ・ジエニ(ポルトガル)
●準決勝
ハン・イン 3-1 ヴィンター(ドイツ)
●決勝
ハン・イン 3-2 サマラ(ルーマニア)
1回戦、準々決勝とポルトガル勢との対戦を制したハン・インは、準決勝で同僚のヴィンターを下して決勝へ進出。サマラからも2ゲームを連取する好スタートを切ったが、追い上げられて勝負を最終ゲームへ。しかし、「落ち着きを取り戻して守備に集中しようと考えて、それがうまくいった」(ハン・イン)と3-2で勝利して優勝を決めた。

2年ぶりの王座奪還を果たしたハン・インだが、昨年は2月に右アキレス腱を断裂。リハビリを経て復帰したものの、復帰戦となった試合で今度は左アキレス腱を断裂する悲劇に見舞われた。その結果、代表に内定していたパリ五輪への出場は叶わず、ドイツ女子は団体戦で銅メダル決定戦に進むも2大会ぶりのメダルを逃した。
それでも、不屈の闘志でリハビリに励み、2月に行われたポーランドリーグで試合に復帰。今回のヨーロッパTOP16は復帰後初の国際大会となったが、見事に優勝をつかんだ。
この優勝により、ワールドカップへの出場権も手にしたハン・イン。「世界ランキングを上げるために、またポイントを積み重ねていきたい。モントルーでの500ポイントはまだスタートです」と41歳を迎えても、まだまだ上を見据えている。
最後に2023年末に行ったインタビューで、ハン・インが語っていた言葉を残したい。衰えを知らない彼女の強さの理由が、この言葉には詰まっている。
「自分の中では常にもっと良くなる、向上できると思っています。今の状態をキープしようとすると、自分のレベルは落ちていってしまう。だから、今よりレベルを上げていかないといけない。毎日、0.1%でもいいからレベルを上げようとすることが大切です」

【ハン・イン使用用具】
〈松下浩二〉

●木材5枚
●グリップ:ST/FL
●¥14,300(税込)
〈スペクトル S3〉

●スピード系テンション表ソフト
●スポンジ厚:MAX/2.0㎜/1.6㎜
●カラー:レッド/ブラック/ブルー
●¥5,170(税込)
※バック面に使用

[ハン・イン]
1983年4月29日生まれ、中国・遼寧省出身。遼寧省チームでプレーした後、2002年にドイツへ。2011年にドイツ国籍を取得。ドイツ代表としてリオ五輪に出場し、女子団体で銀メダルを獲得し、女子シングルスでベスト8。東京五輪女子シングルスでも2大会連続のベスト8入りを果たした。