「世界を目指すなら常に海外での経験を積むことが必要です」

アジア選手権の日本代表となっているVICTASアドバイザリースタッフの松平賢二（協和キリン）選手が8月にWTTフィーダーのオロモウツ（チェコ）大会に参戦。
松平はシングルスの2回戦で実力者のピスチェイ（スロバキア）を退けるも3回戦でハウグ（ノルウェー）に敗れたが、男子ダブルスは濵田一輝（早稲田大）と組み、3位に入賞した。久しぶりの海外遠征で大いに刺激を受けた。以下は松平へのインタビュー。

●ーオーストリアのブンデスリーガ参戦はありましたが、国際ツアーは何年ぶりですか？

松平賢二（以下松平）　6年ぶりの海外ツアー参戦でした。楽しかったですね。周りを考えずに、純粋に自分だけで卓球の世界に浸れる感じでした。チェコでの試合は楽しいしたが時間を過ごしましたが、同時に海外を目指していないとツアーで勝つのは難しいなと思いました。
　シングルス2回戦のピスチェイ（スロバキア）とは以前ワールドツアーで負けていたので、そこが勝負だと思って、そこで勝ってめちゃうれしかった。その1時間後にダブルスをやって、さらにダブルスが終わった2時間後に、シングルス3回戦でした。知らない相手だったけど下調べもなくハウグ（ノルウェー）と対戦しました。
　世界ランキングも150位の相手で、「ボルシア・デュッセルドルフ」の5番手くらいでした。サービスの上手い選手で、出足の1ゲーム目を2点で落とし、2ゲーム目は8－4からまくられて落とすというパターンでした。良いところでネットインが入ってきて、でもサービスが効いているから行けると思ったけど、9－11で落としました。3ゲーム目は3－10からジュースまで持っていって、16－14で取り返しましたが、4ゲーム目でスタートダッシュをかけようとしたらサービスミスをしてしまい、9－11で負けました。
　これが現状ですね。でもずっと海外リーグとかプレーしていたら負けない相手だと思います。久しぶりに「海外遠征をしている」という感覚が出ました。

●ーヨーロッパ選手と対戦するのも久しぶりでしたね。

松平　海外の大会に出るのが久しぶりだったので、会場の雰囲気とかすべてに久しぶりでした。試合をやりながら戦術転換のタイミングはすごく大事だということを感じました。情報のない選手と対戦した時に試合中にどのように相手を分析し、どのように対処し、素早い戦術の切り替えを実行することの大切さを感じました。
　海外ではタイムテーブルもそうだけど、予測できないことが起きるので、久しぶりに「この感覚だな」と思い出しました。最近はシングルスばかりだったし、ダブルスと掛け持ちでやるのも久しぶりでしたね。

●ーダブルスは濵田一輝と組んで3位入賞でした。

松平　初めて組みましたが、良かったですね。彼はサービス、レシーブもうまいし、動きも速いし、ガッツのある選手なので、メンタル的にも組みやすかったですね。

●ー今回、遠征で向かう時にロストバッゲージしてますね。

松平　今まで何回もロストバッゲージしてます。今回、羽田→フランクフルト→ワルシャワ→オストラバという乗り換えで、日本から4人来ていて、全員ロストです（笑）。ワルシャワからオストラバの乗り換えがもともと1時間しかなくて、フランクフルトからの飛行機が30分遅れたのでしょうがなかった。ぼくらもギリギリだったので荷物は無理ですね。バッゲージは2日後にホテルに届いたので、試合にはギリギリ間に合いました。そういうハプニングも込みで、「久しぶりの海外遠征」でした。
　自分をより高めるためには海外での経験は大事だと改めて感じました。ぼくは試合で負けたのが土曜の午前中で飛行機は月曜日だたので、日曜日も練習相手を探そうと思っていたんです。まずは土曜日の午前中に負けたノルウェーの選手から土曜日の午後に「練習してくれないか」と言われ、練習をしました。そうしたらその選手が次に中国選手に勝って、「明日（日曜）も練習を頼むよ」と言ってきたので、日曜日も一緒に練習をやりました。
　ただじゃ終われないから、彼はサービスがすごくうまかったので、教えてもらいましたけどね（笑）。

●ー貪欲ですね（笑）。

松平　元を取らなきゃと思いました（笑）。本当は中国選手を練習相手に捕まえようかと思ったけど、中国は練習をやってなかった。そういうのも良かったですね。相手のハウグとも話をいっぱいして、交流というか、自分の勉強になりますね。濵田と二人というのも良かった。彼もすごく練習をやるタイプ。濵田もギリシャの選手と練習してました。

●ー若い時に行く海外遠征と、ある程度年齢を行ってから行く海外遠征は違うのかな。

松平　基本は一緒です。試合が終わったら、より周りを見て行動するようになったけど、試合になれば同じです。ロストバッゲージになっても現地での生活の仕方にも順応しました。そういうのが楽しいですね。世界を目指すなら常に海外での経験を積むことが必要です。
　若い選手は外に出るべきです。学ぶことが多いですから。

●ーありがとうございました。

Photo/WTT

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