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「ラケットに求めるのは変化と速攻を両立できる繊細さです。このラケットはとても誇らしい」
倪夏蓮
2023年12月19日
WTTファイナルズに出場した倪夏蓮とデヌッテのダブルス。世界チャンピオンペアに敗れた
表ソフトの速攻プレーの時は弾きの強さを求め、粒高で打つ時には相手ボールを吸収する。
それを叶えてくれるラケット
●ー2021年の東京五輪以来の来日ですね。オリンピックの後はなにか変わったことは?
倪夏蓮 生活は変わらないわね。私の家は大家族なので相変わらず忙しくしながら、卓球も続けています。
●ー今回、名古屋のWTT女子ファイナルズで戦いました。
倪夏蓮 1979年の日中交歓卓球大会、16歳の時に名古屋に来たけど、それ以来ね、ワクワクしたわね。女子ダブルスは1ゲーム目を10-12で落としたのが痛かった。あれを取っていればもう少し競ることもできたと思う。でも相手は世界チャンピオンのダブルスですね。簡単には点数をとれない。
●ー2023年を振り返ると、あなたは60歳を迎えたけど、WTTフィーダー・ハビジョフ(チェコ)では初タイトルをとりました。
倪夏蓮 すばらしい経験でした。自分の年齢のことはよくわかっているけど(笑)、WTTで勝てるとは思っていなかった。最高だった。
●ー当然、今はパリ五輪に出ることを目指しているんですね。
倪夏蓮 世界ランキングを上げて、32名の世界ランキング推薦枠(32名)に入って出場資格をもらうことを望んでいます。ヨーロッパでの予選、世界最終予選もあるけど、その前に出場資格を得たいと思っています。
●ー今も、いつものように練習をしている状態ですか?
倪夏蓮 そうだけど、ルクセンブルクには十分な練習相手がいないのよ。それでフラストレーションに感じる時もあるし、常にかかえている問題ですね。
●ーパリに出たら6回目のオリンピックですね。
倪夏蓮 2000年のシドニーオリンピックがは初めてで、その時はすでに37歳だった04年のアテネも世界ランキング8位だったから出る資格はあったけど、2人目の子どもを出産したばかりで出場できなかった。その後の08年の北京から連続で出ているけど、アテネで出ていたら6回すでに出て、今回が7回目だったかもしれない(笑)。
●ーここまで長く現役を維持できるモチベーションとは何でしょう?
倪夏蓮 卓球というのは本当に素晴らしいスポーツなのよ。それに続けることの責任感のようなものを持っています。
WTTファイナルズで敗れたものの、笑顔でデヌッテとハグをする倪夏蓮。卓球を愛する60歳
●ー今回、VICTASから「レジェンドシリーズ 倪夏蓮」がリリースされました。同時代のスーパースターだった江嘉良のラケットも出ました。
倪夏蓮 とても嬉しいし誇らしいことです。発売される前の11月30日から使っています。このラケットには自信を持っています。とても質の高いラケットですから。
私のプレースタイルを考えれば、速攻と粒高の変化という違う性質のプレーとボールを必要とします。その時にラケットに求めるのは変化と速攻を両立できる繊細さです。表ソフトの速攻プレーの時は弾きの強さを求め、粒高で打つ時には相手ボールを吸収する。それを叶えてくれるラケットです。難しさを求めているからこそ、この自分のラケットを手にした時にはうれしかったんです。
●ーやはり自分の名前の入ったラケットは特別ですか?
倪夏蓮 もちろんよ。すごく興奮しているし、うれしいことね。VICTAS、ありがとう。この大会(WTT)の後に上海に帰って、イベントがあるのでそこでもファンの人と会って、このラケットを自慢しなきゃ(笑)。
●ーインタビューありがとうございました。
取材=卓球王国
WTTファイナルズで
自身のラケットを嬉しそうに握る倪夏蓮
ゲイ・カレン/ニィ・シアリエン
1963年7月4日生まれ、中国・上海出身。1983年世界選手権で団体・混合ダブルスで優勝。1985年世界選手権で女子ダブルスで準優勝。1989年にドイツに渡り、翌年ルクセンブルクに移り、ヨーロッパ選手で2回優勝、ヨーロッパトップ12で3連覇。五輪は5回出場。世界ランキングは最高位4位(1998年)。2021年世界選手権ヒューストン大会の女子ダブルスで銅メダルを獲得した
●ペンホルダー中国式
●7枚合板
●重量:80±g
●板厚:6.0mm
●19,800円(税込)