VICTAS JOURNAL
世界卓球速報 with 卓球王国
「ビューティフルな試合だったし、ゲームを取れれば良かったけど、取れなくてもそれもオッケーよね」
●女子第1ステージ
〈日本女子 3−0 ルクセンブルク〉
◯早田 5、7 、9 デヌッテ
◯張本 10、3、8 倪夏蓮
◯平野 2、6、4 ゴンデリンガー
日本対ルクセンブルクの2番。60歳の倪夏蓮と15歳の張本美和の対決。1ゲーム目、中盤で8−6とリードを奪った倪夏蓮だが、張本が追いついて9−9からドライブを決め、10−9とゲームポイント。倪夏蓮が追いつき、10−10。しかし、張本のプレーにミスはなく、11−10から倪夏蓮が粒高でのスマッシュをミスして、12−10で張本がゲームを先取した。
2ゲーム目も張本が4−2とリード。前半から張本の強打が決まる。倪夏蓮の粒高のカット性ショートを張本は強打で攻め込み、11−3でゲームを連取した。
3ゲーム目、倪夏蓮は持ち替えての表ソフトでの攻撃で活路を見い出そうとするも、張本は落ち着いて対応する。2−4とリードされるもすぐに逆転し、7−4とリードを広げた張本が、10−7とマッチポイントを取る。最後は張本が10−8からバックドライブを決め、45歳上の倪夏蓮から勝利を飾った。しかし、敗れても笑顔で握手を求めた倪夏蓮は、自分の娘より年下の張本美和を称えた。
●倪夏蓮のコメント
「日本チームにおめでとうと言いたいですね。本当に強いチームです。0−3も当然の結果ですね。もちろん1ゲームは取りたかったけど、しかたないわね。難しい試合になるのはわかっていたけど、挑戦しようと思った。私にとってはビューティフルな試合だったし、ゲームを取れれば良かったけど、取れなくてもそれもオッケーよね。準備は行ってきたけど、日本や中国のような国と比べれば、私たちの卓球はホビーなようなもの。
張本はとてもいいわね。日本にはたくさんの強い選手がいるし、環境もよい中で、彼女は特別にいい選手です。私は経験はあるんだけど、それが今日は活きなかった(笑)。途中で変えようとしたけど、うまくできなかった。41年前の1983年、私は中国チームとしてこの世界選手権の女子団体決勝で日本に勝って優勝した。それは今でも素晴らしい記憶だし、私の誇りです。それは簡単なことではないから。残りの試合にもプロフェッショナルとして全力を尽くします」