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2024年全日本選手権、男子シングルスは張本智和が6年ぶりV、女子シングルスは早田ひなが2連覇

1月22日に開幕した『2024年全日本卓球選手権大会(一般・ジュニアの部)』は、28日に大会最終日を迎え、男女シングルス決勝が行われた。両種目の準決勝・決勝の結果は下記のとおり。

〈男子シングルス〉
●準決勝

戸上隼輔(明治大) -8、6、-9、4、9、-9、9 吉村真晴(TEAM MAHARU)
張本智和(智和企画) 8、5、6、-7、12 篠塚大登(愛知工業大)
●決勝
張本智和(智和企画) -8、10、-9、-8、9、12、14 戸上隼輔(明治大)

 男子シングルス優勝は張本智和。2017年度大会(2018年1月)で男女通じて史上最年少の14歳で優勝して以来、6年ぶり2度目の優勝を飾った。

 昨年に続く戸上隼輔との決勝は大激戦。ゲームカウント3ー1とリードされ、6ゲーム目には3回のマッチポイントを握られながらしのいだ。最終ゲームも10ー8から5回のマッチポイントを取られ、計8回ものマッチポイントをしのぎ切って優勝するという劇的なV。試合後の優勝インタビューで「本当にもう言葉が出ないです。ぼくはいつもインタビュー完璧ですけど、言葉が出ないです」と感極まった表情で語った。ミドルやフォアを戸上に厳しく攻められながら、試合の終盤はそのボールを読んで前陣でカウンターするなど、勝負勘が冴えた。
 「会場にいる全ての人に、相手含めて全員に感謝したい。(相手のチャンピオンシップポイントを)8回耐えるなんて信じられない。本当に自分の力じゃないですね」(張本)

 準優勝の戸上は3連覇まで「あと1点」だったが、張本の驚異の底力の前に屈した。準決勝の吉村戦をゲームオール11ー9で競り勝ち、その疲れも見せずに決勝では驚異的なフットワークを見せたが、あと一歩及ばず。3位には吉村真晴と篠塚大登が入った。

男子シングルスで6年ぶり2度目の優勝を果たした張本智和
男子シングルス表彰。左から2位の戸上、1位の張本、3位の篠塚と吉村

〈女子シングルス〉
●準決勝

張本美和(木下アカデミー) 5、6、6、7 横井咲桜(ミキハウス)
早田ひな(日本生命) 9、5、6、4 赤江夏星(デンソー)
●決勝
早田ひな(日本生命) 9、9、6、7 張本美和(木下アカデミー)

 女子シングルスは早田ひなが2連覇。攻守兼備のバックハンドの技術力がさらに向上し、準決勝で19歳の赤江、決勝で15歳の張本という若手の挑戦をストレートで退け、貫禄の優勝を飾った。優勝インタビューでは「この雰囲気の中で卓球をするのが本当に好き。1本1本ゲームを楽しんで試合をしました。東京はめっちゃ寒いですけど、熱い試合を見ていただけて良かったなと思います」と笑顔で語った。

 準優勝の張本美和は準決勝で横井咲桜に快勝し、女子の最年少優勝記録の更新を狙ったが、早田に経験の差を見せられた。それでも15歳での準優勝は立派な成績だ。3位には2年連続で準決勝進出の横井咲桜と、過去ベスト64が最高成績だった赤江夏星が入った。

女子シングルス優勝の早田ひな
女子シングルスの表彰。左から2位の張本、1位の早田、3位の横井と赤江