VICTAS JOURNAL

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木原美悠が2冠! 混合ダブルスと女子ダブルスで悲願の全日本初優勝

〈女子シングルス〉●準々決勝
木原美悠(木下グループ) 7-11、6-11、6-11、10-12 張本美和(木下アカデミー)

〈混合ダブルス〉●準々決勝
木原美悠(木下グループ)/篠塚大登(愛知工業大) 13-11、11-5、21-19 小野寺翔平(リコー)/枝廣愛(中央大)
●準決勝
木原美悠(木下グループ)/篠塚大登(愛知工業大)11-7、9-11、11-3、11-6 松平賢二(協和キリン)/永尾尭子(サンリツ)
●決勝
木原美悠(木下グループ)/篠塚大登(愛知工業大) 14-12、11-6、11-9、12-10 谷垣佑真/岡田琴菜(愛知工業大)

〈女子ダブルス〉●準決勝
木原美悠/長﨑美柚(木下グループ) 9-11、12-10、11-8 芝田沙季/大藤沙月(ミキハウス)
●決勝
木原美悠/長﨑美柚(木下グループ) 11-9、9-11、11-9、11-4、11-8 佐藤瞳/橋本帆乃香(ミキハウス)

「3種目のうち1種目で優勝する」。それが木原美悠の今大会の目標だった。
 しかし、手にしたタイトルは2つ。混合ダブルスは2021年世界ユース選手権U19で金メダルを獲得した篠塚大登、女子ダブルスは“Wみゆう”の愛称で知られる長﨑美柚(木下グループ)とのペアで全日本初優勝を果たした。

 混合ダブルスの優勝会見で、「今まで勝ち上がれなくて苦しいことがいっぱいあったんですけど、早田(ひな)選手と張本(智和)選手(のペア)が出てない状況での優勝もすごく大変で、一戦一戦苦しい試合になった」と語った木原。

篠塚との混合ダブルス優勝会見に臨んだ木原

混合ダブルスは昨年ベスト8に終わった。その雪辱を誓って臨んだ今大会だったが、木原も篠塚も3種目にエントリーしたため試合数が多く、金曜日(26日)は6試合、土曜日(27日)も6試合と体力の消耗が激しかった。

 コンディションは大丈夫なのか?

 だが、そんな心配をよそに優勝記者会見で「この勢いで、もうちょっと試合したい」と言ってのけた天真爛漫な木原。バック表の前陣速攻型で「自分は省エネ卓球。体力をすごく使うプレーの選手じゃない」というのが理由のようだが、厳しいスケジュールでも精神的にも持ち堪え、優勝したことは大きな自信になったという。

 そんな木原の思い描く混合ダブルスの最終目標は「(篠塚と)二人でオリンピックの金メダルを狙いたい」。篠塚も「オリンピックに出て金メダルを目指したい」と共通している。

篠塚とのペアは、国際大会でも十分に上位を狙えるだろう

 女子ダブルスは長﨑とのペアでようやくたどり着いた日本一だ。
しかも、2020年大会の準決勝で敗れた芝田沙季/大藤沙月(ミキハウス)に準決勝でストレート勝ち。さらに決勝では昨年の準決勝で敗れた佐藤瞳/橋本帆乃香(ミキハウス)をフルゲームで下しての初優勝だった。

長崎との「Wみゆう」ペアは悲願の全日本初優勝

 一気にリベンジを果たした達成感は大きく、二人は勝利を決めた瞬間、その場にうずくまり込み上げる喜びを噛み締めた。

「単純に泣きたいっていう感情があふれ出した」という木原。
一方、長﨑は「自分が12歳、美悠が10歳の時からペアを組ませてもらっていて、一つひとつ階段を上ってきた」と二人の歴史に触れ、全日本選手権女子ダブルスを制した喜びの大きさを、長﨑17歳、木原15歳で優勝した2019年ITTFワールドツアー・グランドファイナルに匹敵すると例えた。

「ここまでの数年間、Wみゆうで苦しい状況の中、負けたり勝ったりもしたんですけど、気持ちの部分でも技術、戦術の部分でもすごく成長した。それを全日本で出せて優勝できたことに感謝したい」(木原)

「一つ一つの問題に向き合って、お互いやるべきことをやってきた。二人の目的は優勝すること。そこをブラさず勝つためにという選択を出来たことがすごく良かった」(長﨑)

ダブルス2種目で日本一になった誇りを胸に来年は大会連覇、そして今大会は準々決勝で張本美和(木下アカデミー)に敗れたシングルスでの優勝を目指す。

(文=高樹ミナ)

ダブルス3種目の表彰式終了後、木下グループのメダリストで集合!