VICTAS JOURNAL
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カットマン村松雄斗が4回戦進出! パリ五輪代表を争う従姉妹・平野美宇にエールも
●男子シングルス2回戦
村松雄斗(鹿児島県スポーツ協会) 11-5、11-6、11-4 田原翔太(筑波大)
●3回戦
村松雄斗 9-11、11-9、11-5、11-4 浅津碧利(シチズン時計)
ドイツ・ブンデスリーガで磨きをかけたカットを武器に、村松雄斗が勝ち星を積み上げている。
大会3日目の男子シングルス2回戦で田原(筑波大)にストレートで勝つと、続く3回戦はエリートアカデミー時代の後輩・浅津(シチズン時計)と対戦。
序盤は自身の決め球であるフォアドライブを積極的に打っていくも、相手は村松の攻撃を知り尽くしているためブロックでうまくかわされ、逆にミスが出た。
そこで村松は戦術転換。「2ゲーム目、1-4で負けていたあたりからカットで粘ることにしました。戦術を変えるのは勇気が要りますけど、それを試合の中でできたのが良かった。ホント、我慢しました」(村松)
勝った瞬間、普段は寡黙な男が両手を突き上げ、雄叫びを挙げた。
「(浅津は)後輩ですし、負けたくなかった。全日本の1試合1試合が楽しみ。日本で試合ができる貴重な機会なので1試合でも多くコートに立ちたい。そういう気持ちでやってます」
全日本選手権の大舞台で、応援してくれている日本のファンの前で、ドイツで経験を積み、成長した姿を見てもらいたいという思いも強い。慢性の痛みを抱える膝も持ちこたえている。
村松は男子ダブルスにもエントリーしていたが、パートナーの町飛鳥(ファースト)が棄権したため、出場の機会を失った。「残念だけど(ダブルスの試合日である)明日(25日)は膝をゆっくり休めることができるので、プラスに捉えています」(村松)
従姉妹(いとこ)にあたる平野美宇(木下グループ)の妹・亜子(都留文科大)は女子シングルス3回戦まで進み、学生トップクラスの岡田琴菜(愛知工業大)に敗れたものの、ゲームオールジュースの大接戦を演じて見せた。
そして、パリ五輪代表争いの渦中にいる美宇は、この全日本選手権で選考レースが決着。
「美宇とは全日本の前、一緒に練習をしました。この会場で美宇が一番緊張している選手かもしれない。だから、めちゃくちゃ頑張ってほしい。100パーセント応援してます」。
従姉妹たちの活躍が励みになっていると目を細める村松。シングルス4回戦は大会5日目の1月26日。2016年全日本選手権男子シングルス3位で、オーストリアリーグでのプレー経験もある笠原弘光(Handy)と対戦する。
(文=高樹ミナ)