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ブンデスリーガで活躍の村松雄斗。華麗なカットで男子シングルス初戦にストレート勝利

村松雄斗、今大会の初戦となる男子シングルス1回戦でストレート勝ち

●男子シングルス1回戦
村松雄斗(鹿児島県スポーツ協会) 6、8、5 中村圭介(栗東市役所)

 男子シングルス1回戦、ドイツ・ブンデスリーガで活躍するカットマンの村松雄斗が登場した。第1ゲームの立ち上がりでサービスにミスが出るなど緊張も見えたが、終わってみればストレートで初戦に勝利。

 「途中からちょっとリラックスしてプレーできた」と言う村松は、第2ゲーム1-4でリードされてから4オールに追いつくと徐々にエンジンがかかり、本来のプレーが炸裂。
カットからの鮮やかなカウンタードライブやサービスからの鋭い3球目攻撃でポイントを奪い、第3ゲームは完全に自分のペースに持ち込んだ。

ブンデスリーガ仕込みのカットと攻撃で会場を沸かせた村松雄斗

 昨年は「ラン決」の5回戦で張本智和(智和企画)と当たり、「日本のエースから金星を挙げる」と闘志を燃やすも1-4で敗れた。ランク入りを逃した今大会は1回戦から白星を積み上げなければならない。

 「日本で試合することがあんまりないので、1試合1試合を噛み締めてやりたい。明日の相手も強いですし、2回戦を勝ったらエリートアカデミーの後輩が相手。競ると思うんですけど、強い気持ちを持って頑張りたいです」(村松)

 2回戦の相手は田原翔太(筑波大)。これに勝つと3回戦は4歳下の浅津碧利(シチズン時計)と対戦する可能性が高いと村松は読む。

 ブンデスリーガ男子1部の2022-2023シーズンは戦力不足のマインツで常に2点を取るエースに成長。ついたニックネームは「ミスター・ツーポイント」。
個人成績2位の活躍が買われて強豪チームのザールブリュッケンに移籍し、待望の2023-2024シーズンは思わぬ怪我で合流が遅れるアクシデントもあったが、慢性の膝痛を抱えながら奮闘を続けている。

今大会も膝に不安がないわけではないが、「やるしかない。気合いで動く」と村松。

初戦の少し前、従姉妹の平野美宇(木下グループ)の妹・亜子(都留文化大)が一般の部初出場となる女子シングルス1回戦で勝利を飾ったことも村松の背中を押した。美宇も今回の全日本選手権はパリ五輪代表をかけて戦う。従姉妹(いとこ)たちに「頑張ってほしい」とエールを贈る村松は「1球1球、頑張ったら上位進出が見える」と自身に喝を入れた。

(文=高樹ミナ)