VICTAS JOURNAL

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親元を離れ、1年間の成長を証明。小林右京がジュニア男子1回戦でストレート勝ち

ジュニア男子1回戦を突破した、小学6年生の小林右京

●ジュニア男子1回戦
小林右京(木下アカデミー) 7、7、4 服部圭吾(上宮学園中)

 ジュニア男子1回戦、木下アカデミーに所属する日本男子の「未来のホープ」、小学6年の小林右京がコートに登場。服部(上宮学園中)をストレートで破り、記念すべきジュニア初勝利を挙げた。「去年は1回戦で負けてしまって、とても悔しい思いをした。今大会は去年より強くなっていると自分でも思っていて、きっちり勝てたのは良かったです」と試合後のミックスゾーンで語った。

 親元を離れ、木下アカデミーの寮で3人1部屋の生活を送る小林。最初は寂しい思いもしたというが、「オリンピックや世界で戦うには、今世界で戦っている人たちが上にいる木下アカデミーという良い環境がある。ここが一番世界に近い道だと思って入りました」と静かに語る。若武者のその心意気や良し、である。

 対戦相手の立ち位置や体の動きを見切り、打球点を遅らせた台上プレーやナックルのバックハンドを駆使し、うまく得点に繋げられるのが小林の強み。1ゲーム目の10−6のゲームポイントでは、「この1ゲーム目を取らないといけない、出すしかない」とフォアのしゃがみ込みロングサービスを選択する勝負度胸を見せた。「ミスになってしまったけど、出すしかないと思って自信を持って出しました。これからサービスももっと練習したい」とさらなる進化への決意をのぞかせる。

対戦相手をしっかり視野に入れ、多彩な球さばきができるのが小林の強み

 昨年はコートに立った瞬間に緊張してしまったというが、今年は「いつもどおり打てているぞ」と試合中に自分に言い聞かせながらプレーし、普段どおりに戦い抜くことができた。人に教えられてできるものではない、ゲームメーカーとしての稀有な才能を備えた11歳。眼鏡をかけた色白の面立ちに、今年は勝負師の凄みが増してきた。玄人好みのそのプレースタイル、今後もぜひ注目してもらいたい。