VICTAS JOURNAL

世界卓球速報 with 卓球王国

快進撃を続けたフランスは準決勝で中国に敗北するも、成長の銅メダル獲得

 準々決勝でドイツとの大激戦を制し、33年ぶりのメダル獲得を決めたフランス。準決勝では中国と対戦して敗れたものの、堂々の銅メダル獲得となった。

●女子団体準決勝  
中国 3-0 フランス
○孫穎莎 5、8、12 パヴァデ
○陳夢 6、-10、8、4 ユエン・ジアナン
○王芸迪 5、14、2 Ch.ルッツ
 

 1番でフランスの新星・パヴァデが世界女王の孫穎莎と対戦。自力で上回る孫穎莎に対し、コースを突きながら何とか得点を狙うパヴァデ。3ゲーム目はゲームポイントを握る場面もあったが、チャンスをものにできずにストレートで敗れた。

ここまで大車輪の活躍を見せてきたパヴァデだが、孫穎莎には及ばなかった

 2番のユエン・ジアナンはハイトスサービスからの前陣での高速スマッシュ連打で陳夢を台から下げてて有利な展開を作ると、2ゲーム目を奪う。しかし、徐々に陳夢がスマッシュに対応し始めると、中陣からの回転量のあるドライブでミスを誘う。ユエン・ジアナンは守りに入ることなく攻め続けるが、左右に揺さぶられて劣勢になることが多くなり、1-3で敗れた。

ユエン・ジアなんは芸術的なハイトスサービスから得意な展開に持ち込んだ
ユエン・ジアナンのスマッシュに対し、回転量のあるドライブで返球した

 3番に登場のCh.ルッツは世界ランキング115位、対する王芸迪は世界ランキング2位と、実に100位以上の差がある選手同士の対戦に。しかし、ch.ルッツはその差を感じさせないプレーを見せた。

 1ゲーム目は奪われたものの、2ゲーム目はフォアクロスへの強烈なドライブが決まると、上から叩き下ろすようなバックハンドでも得点を重ねる。やや焦りが出た王芸迪もミスが目立ち、15-14でCh.ルッツがゲームポイント。しかし、ここは流石の王芸迪。逆転でこのゲームを取ると、3ゲーム目はこれまで苦しめられていたフォアクロスへの打球にもしっかりと対応し、ストレートで勝利。中国の26大会連続での決勝進出を決めた。

アグレッシブに攻めたch.ルッツ。強烈なフォアドライブで王芸迪のフォアを抜き去る場面も見せたが、力及ばなかった
中国代表選手の中では海外選手と競ることが多い王芸迪だが、最後はしっかりと勝ち切った

 敗れたフランスだが、33年ぶりのメダル獲得、そして各選手が中国選手に肉薄する場面を見せるなど、大きなインパクトを残したのは間違いない。近年ではなかなか表彰台に登れなかったが、今大会では若手選手の成長を世界に知らしめるとともに、ベテランの健在ぶりも示した。今夏にフランスで行われるパリ五輪ではどんな戦いを見せてくれるのか、今から楽しみだ。

敗れたフランスチームだが、今大会で得たものは大きい