VICTAS JOURNAL

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日本男子はベスト8で終戦。中国とは各試合で競り合う好勝負を繰り広げる

 男子第2ステージ準々決勝、大一番である中国との一戦に臨んだ日本。結果的にはストレートで敗れたものの、各試合ごとで見ると競り合う場面も多く、会場を大いに沸かせた一戦だった。

●男子第2ステージ準々決勝  
 中国 3-0 日本
○樊振東 -11、10、10、6 松島輝空
○王楚欽 -8、2、7、6 張本智和
○馬龍 9、5、-9、8 篠塚大登

 これまで2点起用されていた篠塚に代わり、1番に出場したのは16歳の松島。対する中国は世界王者・樊振東を1番に起用した。

 初戦から初めての世界選手権とは思えないプレーを連発した松島が、この試合でも肝の座ったプレーを見せる。1ゲーム目から得意のサービスからの3球目攻撃や、中陣からのラリー戦で互角の試合を展開。トップクラスの球威を誇る樊振東のボールに対しても守りに入るのではなく、引き返して形勢を逆転。1ゲーム目のジュースを制し、世界王者から先制する。2、3ゲーム目もジュースになるが、ここは樊振東が流石の対応力を見せて取りきり、ゲームカウントを2-1に。何とか逆転の糸口を見出したい松島だったが、4ゲームも樊振東に押し切られ、中国が先制点をあげた。

樊振東に対して真っ向勝負を挑んだ松島。16歳とは思えないプレーに会場中が沸いた
激しい打撃戦を制した樊振東。「さすがは世界王者」というようなスーパープレーを連発した

 第2試合は張本と王楚欽の対戦。前回の成都大会では張本が勝利しており、王楚欽にとっても負けられない試合だ。試合序盤から激しい打ち合いになる中で、張本は下がりすぎることなく前~中陣でボールを捌いて王楚欽に圧を与えていき、1ゲームを先取。ラリーになれば互角であるものの、2ゲーム目からはうまくラリーまで持ち込めないことが多くなり、点数を重ねられず。3ゲームを連取され、前回大会のリベンジをされる結果となった

ミドル処理が上手くなったことにより、以前はブロックしていたようなボールもカウンターできる場面が増えた張本
すべての技術レベルが高かった王楚欽。ボールの質高く、ラリーまで持ち込むのはなかなか難しい

 第3試合は篠塚と馬龍の対決。普段はやや下がることが多い篠塚だが、この試合では簡単には下がらずに前で馬龍のボールを捌く。1、2ゲーム目は奪われるものの、「ゆっくりいってもラリーにしてくれると気づいた」と3ゲーム目は無理をせずラリーに持ち込むと、11-9でこのゲームを奪取。4ゲーム目も競りあったが、ミスの少なさで勝った馬龍が取りきり、中国チームの勝利を決めた。

馬龍に攻め込まれても、簡単に下がらなかった篠塚(奥)

 試合後に張本が「今は中国に勝てなくても、2年後、4年後、6年後、絶対僕たちの方が強いと思う。今はまだ我慢の時だけど、その時になればきっと僕たちにチャンスは巡ってくると思う。練習を頑張っていけば本当に明るい未来が待っていると思います」と語ったように、中国との差は確実に縮まってきている。絶対的なエースの張本、どんな相手にも怯まない松島、世界にも通用するラリー力を持つ篠塚、さまざまなチームで経験を詰む田中、そして今大会は体調不良で出場機会はなかったものの、張本と並ぶ日本の2枚看板としての活躍が期待される戸上。この5人の戦いはこれで終わりではない。この経験を生かして、さらに次のステージへと足を踏み出す。次なる日本の戦いはパリ五輪、そして2年後の世界選手権団体戦では中国を破っての金メダル獲得を目指す。

敗れたものの、中国と互角の勝負を繰り広げた日本男子