VICTAS JOURNAL

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日本男子、オーストリアを完封。パリ五輪の出場権を手にした!

●男子決勝トーナメント2回戦(ベスト8決定戦)

  〈日本 3-0 オーストリア〉
◯張本智和  ー8、7、7、8 レベンコ
◯篠塚大登 4、-9、6、9  ガルドシュ 
◯松島輝空   4、4、6  ハベソーン

 勝てばパリオリンピックの団体出場権、そしてシングルスの出場枠「2」が決まるオーストリア戦に臨んだ日本男子。見事に3−0で勝利し、7月のパリへのチケットを手にした!

 トップの張本はレベンコのアグレッシブな攻撃に苦しみ、1ゲーム目を8−11で落とした。2ゲーム目も張本が6-1とリードしながら7-5に追い上げられたが、11-7で張本が逃げ切る。3ゲーム目以降、張本は落ち着いてレベンコのサービス、カウンターに対応していくが、点数の離れない苦しいゲームだった。それでも4ゲーム目は8−7から積極的な攻撃を見せるなど、11-8で張本が振り切った。好調な相手に対しても、エースとしての安定感を見せつけた。

レベンコにしつこくフォア前を攻められながらも、技術の幅を見せて勝利した張本

 続く2番は20歳の篠塚と45歳のガルドシュ。出足で篠塚はミスのないプレーで、11-4でゲームを先取。しかし、ベテランのガルドシュがじわじわと本領発揮。年齢を感じさせない鋭い両ハンド攻撃で、2ゲーム目は11-9でガルドシュが奪う。3ゲーム目、出足で0−4とリードされた篠塚だが、4−4に追いつき、11-6と篠塚が奪い返す。4ゲーム目も中盤で5-8とリードを奪われた篠塚だが、9-9に追いつくと会心のバックハンドカウンターで打ち抜いた。この1本が効いて、11-9で篠塚が勝利した。

試合の終盤、前陣に徹したプレーで勝利を手繰り寄せた篠塚

3番の松島の相手は世界ランキング71位のハベソーン。ランキングからすれば格下だ。サービスがよく効き、強打も決まり、テンポよく11-4、11-4とゲームを連取。3ゲーム目も松島は自分のペースを崩さない。回転量の多いフォアドライブと前陣でのバックカウンターで11-6。一気に日本の勝利を決めた。自力で五輪への切符をつかみとった、価値ある一戦となった。

21歳も年上のハベソーンを完璧に攻略した松島(手前)
日本男子のベンチも燃えた。今日からベンチに復帰した戸上隼輔も声援を送った

●日本男子・田㔟邦史監督のコメント
 「ちょっとホッとしています。自力で代表権を取るのは重要なこと。香港とオーストリアの試合も見ていて、黃鎮廷(ウォン・チュンティン)の出来がよいので怖いと思っていたけれども、比較的オーストリアのほうがやりやすいと思っていた。自力で出場権を獲得したいという思いが強くて、智和も前半は少し緊張していましたね。メダルを獲ることと同じくらいに自力で代表権を獲得したことは大きなことだと思います。
 3人のプレーの出来は、最高じゃないですか。日に日に良くなっています。今日は全員で(五輪行きを)決めたかったので、戸上をベンチに入れました。戸上は今日の午前中、少しだけトレーニングをしたみたいで、明日は少し練習もすると思います。(中国と対戦するドローは)自分の引きにびっくりしました(笑)。中国とは前回あれだけの試合をしているし、中国戦を非常に楽しみにしています」

五輪出場権獲得のプレッシャーも感じさせたオーストリア戦だが、見事な勝利だった