VICTAS JOURNAL
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初陣飾った「団体戦男」の田中佑汰。「何も言わなくても団体戦でやるべきことがわかっている」(田㔟監督)
初戦のナイジェリア戦でオーダーに名前を連ねながら、対戦相手のナイジェリアがまさかの棄権。世界団体デビューがグループ最終戦となるマダガスカル戦まで持ち越された田中佑汰。3番に出場し、コートに立ったのは20分足らずの時間だったが、さすがの技術の精度、そして1ゲーム目のラブオールからチームを鼓舞する気迫を見せた。
愛工大名電中1年時から、愛工大名電高を経て愛知工業大3年時まで。全国中学校大会、インターハイ、全日本大学総合選手権(団体の部)で常に団体優勝メンバーのひとりだった田中。日本男子チームの田㔟邦史監督は「ずっと団体行動もしてるし、団体戦も経験しているから、何も言わなくても自分がやらなければいけないことがわかっている。たとえ試合に出られなくてもやらなきゃいけないこと、チームを盛り上げるということもやってくれている。非常に良いチームワークだと思います」と田中を讃えた。
「田中は初出場でしたけど、一つひとつの技術がしっかりしていて、自分がいつ出てもいいようにしっかり準備をしてくれた。そのうえで、初戦では相手が誰だろうとやっぱり緊張する。『まずはこの場を楽しんでこい』と笑顔で送り出しました」(田㔟監督)
一方、田中自身は試合後のミックスゾーンで「緊張感はあったんですけど、すぐほぐれて、自分のプレーが最後までできた。調子も良かったし、良い試合でした。無駄なミスがなくて、あとは結構ボールが走ってるなと感じていました」と充実の表情で語った。以下は田中のコメント。
「オーダーは昨日のチャイニーズタイペイ戦は始まる前から教えてもらっていて、『明日出るよ』と聞いていたので、その時からちょっと心の準備をしていました。はあまり緊張すると疲れちゃうんで、分析の時間も少し短くしたりして、工夫しながら準備していました。
試合ではまずは出足が大事になってくるので、そこをしっかり取り切れるかどうかというところに重点を置いて、練習の時も準備しました。前の2試合はベンチで座っているだけだったので、入場では『ここが世界卓球か』というふうに感じながらコートに入りました。
団体戦ではベンチワークとかがすごく大事になってくると思っている。昨日も相手(チャイニーズタイペイ)ベンチより絶対に勝っていたっていう自信がある。そこは大事にしたいですね。今日の試合のプレーは悪くはなかったと思う。アピールという意味では、自分の中ではやり尽くしたなと思っています」(田中)