VICTAS JOURNAL

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タイペイとの激闘を制した日本。張本はゾーンに入り、松島が9−9から勝負をかけた

●男子第1ステージ
 〈日本 3ー1 チャイニーズタイペイ〉

◯張本 5、15、11 高承睿
 篠塚 6、ー6、ー5、10、ー6 林昀儒◯
◯松島 9、ー11、6、ー8、9 荘智淵
◯張本 10、ー9、3、ー7、3 林昀儒

日本男子、グループステージ最大の難関、チャイニーズタイペイ戦を3ー1で乗り越えた!

戸上隼輔をインフルエンザで欠いている日本は、五輪代表候補の篠塚を2点使いで起用。トップの張本はタイペイの高承睿(ガオ・チェンジュ)と対戦。19歳の世界ランキング33位の選手で、前陣での切れのある両ハンドドライブが得意な選手だ。お互いが早めに決定打を放つ展開になり、2、3ゲーム目はジュースになったものの、張本がしっかり要所を締め、見事な先陣を切った。

「自分は林昀儒選手以外には絶対に負けるわけにはいかない」と語った張本。トップで快勝

2番は篠塚とタイペイのエース、世界8位の林昀儒(リン・ユンジュ)との対戦。1ゲーム目、篠塚はサービスを活かしながら速攻で主導権を奪った。しかし、2ゲーム目から林が本来のボールの質の高さを見せつけ、徹底して篠塚のフォア前からの展開に持ち込み、2、3ゲーム目を連取する。さすが世界8位というプレーの連続だ。

ところが、篠塚は4ゲーム目、その林のボールにうまく対応してジュースで奪い、最終ゲームに持ち込んだ。最終ゲーム、ギアを上げたのは林。スタートから攻め込み、篠塚にミスが出て序盤で離されたのが痛かった。11-6で林がゲームを奪取し、3-2で勝利。タイペイは1-1に戻した。

2ー3で敗れたはしたものの、世界8位の林昀儒と互角の戦いを見せた篠塚

3番は世界35位の42歳・荘智淵(チュアン・チーユアン)と、世界33位の16歳・松島輝空の対決。出足で荘が松島のミスをうまく誘うも、途中から松島の一発のドライブが決まり、11-9で松島がゲームを先取。2ゲーム目は競り合うも、ジュースで荘が取り返す。
3ゲーム目は松島の強打が決まって11ー6で松島、4ゲーム目は松島の強打がわずかにはずれて11-8で荘が取り、2-2で最終ゲームにもつれ込んだ。点数は松島の両ハンドの強打が入るかどうか、その確率次第だ。

最終ゲームは松島が1-3とリードされたところで日本がタイムアウト。5-4と逆転するも9-9までもつれ、そして10-9と松島マッチポイント。最後はラリーで荘を揺さぶり、渾身のフォア強打を打ち込んだ松島が勝利。床に倒れ込んだ。親子ほどの年齢差があってもコートを挟んだら関係ない。壮絶な打ち合いを制した松島は試合後、「最初から競るとわかっていたので、その準備をして最後粘り強くやれた。初めて対戦したけど、みんなから粘り強いと聞いていて、やったら本当に粘り強くてベテラン感があった。最後、9-9で勝負できたのが勝ちの要因でした」と語った。

3番で劇的な勝利を収めた松島輝空。16歳とは思えない堂々たるプレー

4番は張本対林のエース対決。斬り合うような一進一退の展開。互いにゲームを取り合って最終ゲームにもつれ込む。そして最終ゲームは、いきなり張本のフォアハンド、そしてカウンターで8-0と離した。張本のガッツポーズと勢いは止まらない。10-3のマッチポイントで最後はチキータを決め、11-3で日本の勝利が決まった!

4番で林昀儒を破った張本。まさにエースの働きだ
2番で篠塚に競り勝った林昀儒だが、4番で張本とのエース対決に惜敗