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世界選手権釜山大会がいよいよ開幕!最強の布陣で金メダルに向けて突き進む!

 2月16日から韓国・釜山で開催される世界選手権・団体戦。本来ならば2020年3月に行われる予定だったが、新型コロナウイルスの影響で開催が中止。3年越し、そして韓国では史上初の世界選手権開催となる。

 今回の日本代表はパリオリンピックシングルス選考ポイント上位4名に、強化本部推薦の1名を加えた男女各5名ずつが選出。男子は張本智和(智和企画)、戸上隼輔(明治大)、篠塚大登(愛知工業大)、田中佑汰(個人)、松島輝空(木下グループ)、女子は早田ひな(日本生命)、平野美宇(木下グループ)、伊藤美誠(スターツ)、張本美和(木下グループ)、木原美悠(木下グループ)が金メダルを目指して戦いに挑む。男女両監督が「現時点の最強メンバーが揃っている」と語るように、日本のトップ選手たちが揃った。

男女日本代表メンバー

 男子は予選リーグでチャイニーズタイペイ、ナイジェリア、チェコ、マダガスカルと対戦。その中で、最も日本チームが警戒しているのが、昨年のアジア選手権で準優勝に輝いたチャイニーズタイペイ(世界チームランキング9位)だ。特に、エースの林昀儒は世界ランキング8位、東京五輪4位の実力者。長短がわかりにくいサービスと精度の高いチキータを武器に、昨年9月に行われたWTTチャンピオンズ フランクフルト大会では張本を下している。

世界トップクラスのバックハンドを誇る林昀儒。日本のみならず、世界からマークされている(写真提供:WTT)

 張本が「ぼくか戸上が林昀儒から1点とるのを目標にしている」と語るように、チャイニーズタイペイに確実に勝利するには、張本と戸上による「林昀儒攻略」が重要になる。
 戸上は林昀儒に対して過去2戦2敗と負け越しているものの、前回対戦ではフルゲームを演じるなど実力は同等。「今シーズン(木下マイスター東京で)ともに練習してきたことによって、林昀儒選手の球筋や特徴を以前よりも知ることができた。以前よりも対策ができていると思うし、勝つチャンスも上がっているので、対戦するのが楽しみです」と「林昀儒超え」に向けて頼もしくコメントした。

前回大会では決勝で中国から2勝をあげた張本。今回も日本のエースとしての活躍に期待がかかる
張本とともにチームを牽引する戸上。「必ずメダルを獲得して良い結果をもたらしたい」(戸上)

 もちろん、簡単に勝てるチームなど存在しない。メダル獲得のためには張本や戸上だけではなく、主に3番での出場が予想される篠塚、田中、松島の活躍も重要。世界選手権は初出場となる3選手だが、国際大会で強豪選手を撃破するなど実力は十分。どこからでも得点を狙える布陣で、メダル獲得、そして中国を破っての優勝を目指す。

昨年の世界選手権は怪我の影響で棄権となった篠塚。パリ五輪代表候補予定選手にも選ばれた実力派左腕は、どんなプレーを見せてくれるのか
「チームのためにプラスになる働きをした」と語った田中。中学1年〜大学3年までは各カテゴリーの団体戦で負けなしの「団体戦男」だ
強化本部推薦として選ばれた松島。国際大会では張本やオフチャオフ(ドイツ)を破るなど、凄まじい成長スピードを見せている

 女子は予選リーグでブラジル、ルクセンブルク、南アフリカ、イランと対戦。ブラジルのB.タカハシ、大会最年長の60歳での出場となるルクセンブルクの倪夏蓮らの実力者はいるものの、総合力では確実に日本が上回っている。予選リーグを1位で通過することができれば、第2ステージのドローも中国と反対側のブロックとなり、決勝までは中国と当たらない。過去4大会連続で決勝で中国と対戦しながら、なかなか勝利できないでいる日本女子。決勝まで勝ち進み、今回こそ中国超えを果たしたい。

大会最年長での出場となる倪夏蓮。粒高と表ソフトを駆使した変化のあるプレーが大きな武器だ(写真提供:WTT)